ラン科絶滅危惧種。
日本の山野から毎年減少している。
ラン科植物というだけで・・・山から掘ってくる。
山から掘ってラン菌の生息していない用土で植えて・・・販売された場合は、ほぼ100%助かることはない。
それと同じ意味で、道路、工場建設などで、敷地に自生しているラン科植物を・・・
環境保全ということで他所に移植しても・・・ほとんど助からない。
この移植行為は・・・行ったという・・・行為を・・・残すための方便、アッピールに過ぎない場合もある。
植物の移植は活着してナンボの世界である。
更に、ラン科植物は多年草植物である、移植した後10年、20年生き続けていなければ・・・活着とは言えない。
こういう視点で、現在の野生ランの、自生地播種研究、移植試験は緒に着いたばかりである。
論文は・・・・次世代シークエンサーを使って調べれば、培養の手間も、ラン栽培技術が無くとも、培養困難な菌も、
共生菌を同定することは出来るようになった。
そういうことで、ラン科植物の共生菌、菌叢の研究は・・益々各ランごとに研究されるだろう。
そして、この研究結果から特定のラン菌を使って、フィールドで活着試験が行われるだろう。
しかし、ここで大きな問題は、次世代シークエンサーで同定した菌、菌叢は解析できても、
この菌、菌叢の自然界での社会生活、他の菌との関係が全然分からないということである。
ランの自生地に地表には常時・・・空中浮遊微生物の胞子が落下している。
ランの種子もこの微生物の胞子と同じように空中から落下して・・・発芽した。
つまり、ラン科植物の無胚乳種子というのは、微生物の胞子、シダ植物の繁殖法をパクッタものである。
この空中から常時落下する多様な微生物の胞子の中には、当然植物病害菌の胞子もある。
この病害菌の胞子を・・・・同定したラン菌、菌叢を構成しているグループ菌が、
発芽、繁殖できないようにする能力を具備していなければならない。
更に、この菌、菌叢が永年にわたって、ラン株周辺に定着していなければならない。
つまり、ラン菌、ラン菌グループに他の微生物、病害菌を抑止できる菌、又は菌が入っていなければ、
そして、フィー―ルドに移植した、人為的に発芽させた株のエリアに、その菌が遷移、死ぬことなく、
永年定着しなければ・・・移植保護、自生地播種による自生地再生は出来ない。
ラン菌と同定された菌が、自生地エリアを優占支配出来る「絶対王者菌」になれる菌なのか。
同定された菌がその力が無いが、他に菌と共生することでエリアを支配出来る菌なのか。
炭素源、窒素源を何処から、どうやって調達しているのか。
自然のフィールドは研究室、実験室(温室)より複雑な環境である。
フィールドでは、研究室のように環境条件をコントロールできない。
問題は、自生地再生というのは、ここが最も難しい。
実験で可能でもフィールドでは全然・・・ということが、植物、農業では普通に起こる。
そういうことで、筆者 宇井 清太は、このラン菌定着法を研究してきたが、
ようやくラン菌 木材腐朽菌MOG-A1菌の開発で成功した。
このMOG-A1菌は、グループ菌以外のほとんどの微生物を不活性化、休眠させることが出来る菌である。
つまり、この菌を菌叢の絶対王者菌にして・・・フィールドを作り、ランを栽植すれば、
空中浮遊微生物胞子の発芽による、菌生態系破壊が抑止できる5.
更に、このMOG-A1菌を定着させる方法を開発した。
この詳しいことは、英国 ネイチャー誌に論文提出するため、ここでは掲載しない。
この技術は、農業における完全無農薬栽培、空中窒素固定技術、生分解プラの分解に使用されるもので、
ラン界にのみ用いられるものでないからである。
これらの問題は、菌の定着なしでは出来ない。
これまで、フィールド、農業の圃場で「菌定着」する方法が無かった。
これが、ようやくMOG-A1菌をキーパーソン菌とすることで有用菌の「菌定着」が可能になった。
著作権所有者 (有) 最上蘭園
著作権に関わる全ての行為を禁じます。
ラン自生地におけるラン菌定着法
自生地播種における菌遷移防止技術
ラン菌にエサを与えて・・・定着させる!
kouza 7apa